武器辞典
■カリバーン
勝利すべき黄金の剣
イングランドの騎士王、アーサー王の象徴たる聖剣。
魔術師マーリンの導きにより、選定の岩から引き抜かれた王の象徴である。
湖の妖精から授けられた聖剣とは別のもので、宝具としての特質は多少異なる。
が、セイバーにとってはこちらの聖剣に馴染みが深いようだ。
剣は権力の象徴であるため、王の所有する剣は贅を凝らした
装飾品に成り下がるのが常である。
エクスカリバーと駆りバーン最大の違いはその点であり、
美しい剣である代償として、武器としての精度はエクスカリバーに及ばない。
伝説では、アーサー王が騎士道に反する戦いをしたときに折れたとされている。
■カラドボルグII
アイルランド英雄、フェルグスが所持していたとされる魔剣なのだが…?
IIの名称が示すとおり、フェルグスの魔剣とは別物で
アーチャーなりの改良を施されている。
同じケルトの大英雄、クーフーリンの天敵とされる宝具。
カラドボルグの使用者がウルスターゆかりの者であった場合、
クーフーリンは自らかけた誓約(ゲッシュ)により、
この剣の前では一度は敗北しなければならない宿命を負っている。
■グラム
魔剣・太陽剣グラム。
ヴォルスング・サガにおいて北欧最大の・シグルドが所有した栄光と破滅の魔剣。
アーサー王伝説にあるカリバーンの原型でもある。
カリバーンが岩に刺さった選定の県だったように、
グラムはヴォルスング王の大樹につきたてられた選定の剣であった。
魔剣グラムと、その所有者シグルドの伝説は大英雄の名に恥じない
栄光と破滅に彩られた物語である。
後に中世ドイツにおいて編幕された『ニーベルンゲンの指輪』は
アーサー王伝説に並ぶ騎士の物語であり、グラムはバルムンクと名を変えて出現する。
”最強の聖剣”に匹敵する”最強の魔剣”にして、竜殺しの特性すら兼ね備える。
かの騎士王にとって、この剣こそが天敵と呼べるだろう。
■デュランダル
中世ヨーロッパにおけるパラディン、ローランが愛用した聖剣。
シャルルマーニュ王が天使から授けられたそれを
誉れ高き十二騎士筆頭、ローランが賜った。
三つの奇跡を持ち、所有者の魔力が尽きようと切れ味を落とさない輝煌の剣。
カリバーン同様、華美に鍛えられた権威の象徴でもある。
■ハルペー
ギリシャ神話に名高い英雄、ペルセウスが使用した女怪殺しの神剣。
ハルペー自体はそう優れた剣ではないが、
最大の特質として”屈折延命”と呼ばれる能力を持つ。
これは不死系の特殊能力を無効化する神性スキルで、
ハルペーによって付けられた傷は決して復元しないとされる。
(自然の断りにかなう治療はできる)
不死の三姉妹の末妹、メドゥーサ退治に使われた。
■ヴァジュラ
古代インド神話における雷神インドラの神格象徴の一つ。
インドラは元々アーリア人からインドに伝わった現象で、
ヴァジュラは正式にはヴィジャヤと呼ばれる。
が、時代が仏教に移り変わった折、帝釈天に名を変えた彼の神格象徴も名を変えることになった。
一度限りの射出宝具で、ダメージ数値はB+に相当する。
所有者の魔力とは関係なくダメージ数値を出すお手軽兵装。
また、ヴァジュラとは仏教の神々が持つ金剛杵の意。
■ダインスレフ
ニーベルンゲンの魔剣。
持ち主に破滅をもたらすの呪いの宝具。
北欧の英雄・シグルドを殺した一族に伝わる魔剣で、
元々はファフニール竜が収集していた宝具である。
強力な”報復”の呪いを持つが、同時に持ち主の運命さえ破滅へ追い落とす。
魔剣・聖剣は栄光と破滅を両立させるが、
この宝具は破滅のみを所有者に与えるという。
■物干し竿
剣豪・佐々木小次郎が携えていたという長刀。
物干し竿はあくまでも名称に過ぎず、刀の正式な銘は不明。
記録では長さ三尺余(一尺は30cm)とされるが、
本編でアサシンが持つ物干し竿は五尺余に及ぶ規格外の長刀で、その間合いに槍に近い。
実践等において、攻撃範囲の長さはそれだけ有利な点となる。
が、刀という武器から見ればこれほどの長さは論外といわざるを得ない。
一対一の戦いならば十分に効果を発揮するが、
合戦においてはその長さ、重さが使用者を苦しめる。
人の域を逸脱した”秘剣”を操るアサシン意外、
この長刀を満足に扱える剣士はいないだろう。
■ダーク
白い骸骨面のアサシンが使用する短剣。
手に持って切り付けるものではなく、投擲用として作られたもの。
■無銘・短剣
ライダーが使用する巨大な”釘”。
出展は不明だが、彼女の内面を表した武装と思われる。
■無銘・斧剣
バーサーカーが使用する岩の剣。
アインツベルンが用意した神殿の礎で、
これ自体がヘラクレス召喚の触媒となっている。
ヘラクレスが得意とするのは弓なのだが、
狂化している為かつての武装と剣技を失っている。
■アゾット剣
凛が使用している魔術礼装。
切りあうための道具ではなく、所有者の魔力を増幅させ、
魔術行使を補助・強化させる魔杖である。
魔術協会においてポピュラーな礼装であり、
成人の儀に師や両親に送られる記念品である。
オリジナルは近代錬金術の基礎を築いた男が愛用した短剣とされる。
■宝石剣ゼルレッチ
第二魔法の能力を持つ、限定魔術礼装。
平行世界への門は開けられないものの、
向こう側を覗く程度の干渉を可能とし、
大気に満ちる魔力程度なら互いに分け合うことさえ可能とする。
宝石の由来は、その多角面が万華鏡に似ているところから。
万華鏡(カレイドスコープ)が何故ゼルレッチの二つ名になっているかは言うまでもない。
■干将・莫耶
アーチャーが好んで使う双剣。
宝具としてのランクはC-。
夫婦剣であり、何かのトラブルで紛失しても必ず持ち主の元に戻る、という強い絆が存在する。
剣としての性能も高いが、巫術、式典用の魔術兵装としての側面も持つ。
備えて装備すると対魔術と対物理が向上する。
アーチャー本人のいかなる趣向か、
刀身には魔よけと思われる言葉が刻まれている。
鶴翼欠落不。
心技奉山至、
心技黄河渡。
唯名別天納。
―――両雄、共命別。
■方天戟
中国に伝わる武器、戟の一種。
戟は刺突、打撃に用いる長柄武器で、様々な用途を持つ。
使用する兵種を選ばない武器ではあったものの
時代と共に滅び、宋代に天戟として蘇った。
刺突、切り払い、引き寄せ、弾き、
と様々な使い道がある反面、扱いには卓越した技術が必要とされた。
三日月形の刃は月牙と呼ばれ、これが片側しかないものを青龍戟と呼ぶ。
数ある方天戟の中で、この武器のみが”宝具”まで昇華したのは、
名のある武将に愛用されたためであろうか。
■黒鍵
聖堂協会で使われる、悪魔祓いの護符の一つ。
代行者達にとってシンボリックな道具だが、
扱いが非常に難しい上に物理的な破壊力が乏しいため、愛用するものは少ない。
剣としての精度は低く、この長さをして投擲専用の武装となっている。
彼らが『魔』と定義するモノたちの大部分は霊体や現象であり、
それらを退けるこの黒鍵も物理的な攻撃力より霊的な干渉力に重きを置く。
上級者、もしくは選ばれた代行者が使う
黒鍵の刀身は魔力で編まれたものであり、携帯時は柄の部分だけとなる。
中には百近い黒鍵を法衣に隠しているものもいる。
■虎竹刀
竹刀は元々、真剣・木刀に代わる試合用の道具として、
日本有数の剣豪・上泉伊勢守秀綱によって発案されたものであるとか
難しい話はおいといて。
虎竹刀は藤ねえの愛剣である。
時代を先取りするコト五年。
竹刀に虎のストラップをつけ、その無作法から公式試合に出られなかったこと数回。
この竹刀さえなければ全国に名が轟いたものを、
と当時の剣道部員は嘆きつつもホッとしたという。
ぬけば血を見ずには納まらない妖刀として、
今も藤村組に封印されている。